軽くて丈夫、その上、年月を経るごとに色が変わって味が出る竹製品。その発祥はかなり古く、竹を武器として使った時代にまで遡ると言われています。特に福井では、厳寒の気候に耐えた良質の真竹や孟宗竹が多く見られ、様々な竹製品が生まれたのは、ごく自然なことだったと推測されています。
かつては福井の至るところにあった竹藪。そこから生まれた竹製品は、職人によって創意工夫され、昭和20年後半には飾りや小さな人形も作られるようになりました。それが現在『越前竹人形』につながるのです。それと同時に、福井出身の作家、水上勉氏の同名小説で、その存在は全国的にも知られるようになったのです。
竹の節や曲線、弾力性を生かし、繊細な細工を施した美しい竹人形。それは一見すると単純な作りと感じるかもしれませんが、年月を経ると、竹全体がアメ色に変わり、どこか懐かしく心が和むような雰囲気を漂わせてきます。人の心をほんのり温かくする魅力を持った『越前竹人形』は、自分用に、または大切な人への贈物としても最適な製品といえるでしょう。