ケヤキの美しい年輪と薄い環が 作り出す、独自の優美な工芸品。
釘を使わずに木と製作者の技術だけで作る指物は、木地を挽くことから挽物とも言われます。中でも浮月挽の技術は独特です。「浮月挽は、年輪100年以上のケヤキを10年以上乾燥させ、ロクロで巧妙に環を浮彫挽にしたもの。初代と二代目は円形が回る作品を手掛け、現在は八角形へと進化させました」 浮月挽は一つの木を挽いているので、環が回りつつも表面模様(年輪)はピタリと合致。数ミリ単位の緻密な技術に、誰もが驚くはずです。五重の塔や無病息災の縁起物、六瓢箪、現代風の小物入れも手掛けています。
自作道具で薄い環を追求する。
「細かい作業が多く困難を極めますが、それが面白く、やりがいでもあります。デザインを考え、自作道具を使ってより薄く、巧妙な技術を披露できるよう努力しています」と三代目。今後は実用品も積極的に作っていく予定です。
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